AI時代のリーシングに必要な人の感性の文脈編集

はじめに~AIで何でもできるけれど…効果は保証してくれない

最近はAIを使えば、募集資料の文章も作れます。
キャッチコピーも作れます。
物件紹介文も作れます。
画像も作れます。
間取り図の加工もできます。

昔に比べると、不動産募集に必要な「パーツ」を作ることは驚くほど簡単になりました。
しかし、だからといって良い募集資料が自動的にできるわけではありません。
AIは褒めるのは得意な割に、不動産営業をAIに丸投げで期待する成果が出ることはまずありません。

AIに丸投げせずに営業担当がやるべきこと、私はそこに、現代アートのキュレーターと同じ役割があるように思っています。

目次

AIはパーツを作れるが、展示まで任せられるか?

現代アートの世界では、作品そのものと同じくらい、展示方法が重要です。

・どの作品を選ぶのか。
・どの順番で見せるのか。
・入口に何を置くのか。
・最後に何を見せるのか。
・どの作品同士を隣り合わせにするのか。

同じ作品でも、展示方法によって印象は大きく変わります。
だから美術館にはキュレーターという仕事があります。

作品を作る人とは別に、
「どう見せるか」を考える専門家が存在するのです。
もちろん、これもAIに丸投げすることは可能です。
では、果たしてそれで不動産営業の成果が期待通りでるでしょうか?
全くダメな営業の人よりはマシかもしれませんが…

不動産募集もキュレーション

不動産募集も実はアートのキュレーションに似ています。

・写真がある。
・間取り図がある。
・物件概要がある。
・周辺環境の情報がある。

AIはそれらを整理して文章化できます。

しかし、
・どの写真を最初に見せるのか。
・どの魅力を最初に伝えるのか。
・どの弱点を先に説明するのか。
・どのターゲットに向けて語るのか。

そこまでは自動的には決まりません。
いや、聞けば答えてはくれます。

しかし、そこには平均的な統計データに基づく、まあまあな答えが出てくるだけです。

例えば同じオフィスでも、
「駅近オフィス」として見せるのか。
「眺望の良いオフィス」として見せるのか。
「セットアップ向きオフィス」として見せるのか。
「リノベーションの素材」

として見せるのか。
切り口によって、まったく違う物件に見えることがあります。

AIに、これがいいと思うと聞いてみてください。
今のAIは「自分の意見を批判、否定しろ」という指示を出さない限り、
何でも褒めて、賛同してくれるだけです。

全てを選べない場合、最終的にどれを選ぶかの判断は、営業担当の責務なのです。

AIは平均点を作るのが得意

AIは優秀です。
しかし基本的には、多くの人が納得する平均点を作るのが得意です。

そのため、
無難な紹介文。無難な構成。無難なキャッチコピー。無難な提案。
になりやすい傾向があります。

もちろん、それだけでも昔より遥かに高いレベルです。
しかし、個性のある物件や難しい物件では、それだけでは足りません。
なぜなら、その物件の魅力は平均点の中には存在しないからです。

人間の仕事は「意味を編集すること」

文章を書く、画像を作る、図面を整える。
こうした作業はどんどんAIで自動化されていきます。

しかし、人間に残る仕事があります。

それは、
・何を選ぶか。
・何を捨てるか。
・何を最初に見せるか。
・何を最後に見せるか。

という編集の仕事です。

現代アートのキュレーターが作品を並べるように、
リーシング担当者も物件の情報を並べています。
実は募集資料とは、情報の羅列ではありません。
一つの展示会なのです。

不動産営業は、物件のキュレーターである

私は不動産営業とは、物件を売る人ではなく、物件をキュレーションする人だと思っています。

・物件の価値を発見する。
・強みと弱みを理解する。
・誰に向いているのかを考える。
・その価値が伝わる順番を組み立てる。
・そして市場に展示する。

その役割は、現代アートのキュレーターによく似ています。
AIによってパーツ作りは簡単になりました。
しかし、どのパーツを選び、どう並べ、どう見せるか。

そこにはまだ人間の感性が必要です。
そして、その感性こそが、AI時代にますます重要になるのではないでしょうか。

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