はじめに
本記事は、プロパティー・パートナーズの「プロパティーマネジメント」ページを補足するための記事です。
同ページは、一般的なPM業務の定義や、従来型の管理会社業務を説明するためのページではありません。
プロパティー・パートナーズが行うプロパティーマネジメントを、リーシング、建物改善、PM/CM、リノベーション、コンバージョンなどとつながる「バリューアップサポート」の視点から紹介しています。
そのため、一般的なPMや管理会社の説明として読むと、少し分かりにくく感じられる可能性があります。
そこで本記事では、PM、AM、管理会社の違いを整理しながら、なぜプロパティーマネジメントを不動産価値向上の視点で捉える必要があるのかを補足します。
目次
PM・AM・管理会社は、似ているようで役割が異なる
不動産業界では、「PM」「AM」「管理会社」という言葉が使われます。
しかし、一般のビルオーナーや不動産オーナーにとっては、その違いが分かりにくいかもしれません。
実際には、それぞれ役割や立場が異なります。
一方で、本質的な目的は共通しています。
それは、不動産の価値を維持し、高めることです。
本記事では、PM・AM・管理会社の違いを整理しながら、不動産価値向上という視点から考えてみたいと思います。
管理会社とは何か
日本で一般的に「管理会社」と呼ばれる会社は、建物の日常的な運営管理を担います。
主な業務としては、賃料集金、更新・解約手続き、入居者対応、修繕手配、管理報告、空室募集の手配などがあります。
昔から日本に存在する不動産管理の形であり、多くの中小ビルや賃貸不動産では現在もこの形が主流です。
オーナーが求めるのも、「問題なく運営してほしい」「空室が出たら教えてほしい」「修繕が必要なら相談してほしい」という内容が中心です。
管理会社の業務は、ビルメンテナンスとテナント管理に分かれる
ただし、「管理会社」と一言で言っても、実務は一つではありません。
大きく分けると、建物や設備を維持するビルメンテナンス業務と、入居者や賃貸借契約に関わるリーシング・テナント管理業務があります。
ビルメンテナンス業務は、清掃、設備点検、警備、法定点検、修繕対応など、建物を維持するための業務です。
一方、リーシング・テナント管理業務は、空室募集、内見対応、契約更新、解約対応、賃料条件の調整、テナント対応など、賃貸運営に関わる業務です。
不動産価値向上という視点では、この二つを分けて考えるだけでなく、つなげて考えることが重要です。
例えば、空室が決まらない原因が、募集条件ではなく、共用部の印象や設備の古さにある場合もあります。
つまり、ビルメンテナンスで見えてくる建物の課題と、リーシング・テナント管理で見えてくる市場の反応は、本来つながっているのです。
PM(プロパティーマネジメント)とは何か
PM(Property Management)は、管理会社と似ていますが、より経営的な視点を持った運営管理です。
特に不動産ファンドやREITの普及とともに広がった考え方で、稼働率管理、収支管理、予算管理、リーシング管理、修繕計画、月次レポート作成などを行います。
ファンドや機関投資家は、建物を投資対象として保有しています。
そのため、「現在の収益はどうか」「予算との差はあるか」「どのような改善策が必要か」を継続的に把握する必要があります。
PMは、そのための運営実務を担う存在です。
AM(アセットマネジメント)とは何か
AM(Asset Management)は、不動産そのものではなく、資産運用全体を担当する立場です。
主な業務は、投資戦略の立案、予算承認、売却判断、取得判断、バリューアップ方針の決定、ファンド運営などです。
PMが現場の運営責任者だとすれば、AMは経営責任者に近い存在です。
例えば、リノベーションを行うか、用途変更を行うか、売却するか、保有を継続するかといった大きな判断は、AMが行うことが一般的です。
日本ではPMという言葉がファンドスキームで使われやすい
日本では、「PM」という言葉が使われる場面には特徴があります。
理論上は、管理会社もPMも、建物を運営するという意味では大きく変わりません。
しかし実務上は、一般オーナー向けには「管理会社」、ファンド・REIT向けには「PM」と呼ばれることが多くなっています。
そのため、「PM」という言葉を聞くと、ファンド向けの高度なレポーティングや運営管理をイメージする人も少なくありません。
近年のPMは事務管理に寄る傾向もある
本来のPMは、建物価値向上のための運営管理です。
しかし近年の大型ファンド案件では、月次レポート、予実管理、会議資料、各種承認資料、KPI管理などの業務が増えています。その結果、PMが事務管理やレポーティング業務に多くの時間を割くケースも少なくありません。
また、リノベーションや用途変更などの大きなバリューアップ施策は、AM側が主導することも増えています。
それでも価値向上の出発点は現場にある
しかし、不動産価値向上のヒントは、日々の運営の中にあります。
例えば、なぜ空室が続いているのか。なぜ賃料が伸びないのか。なぜテナント満足度が低いのか。なぜ競争力が落ちているのか。こうした課題は、建物を日々見ている現場だからこそ見えてくるものです。
・共用部の印象かもしれません。
・貸室の仕様かもしれません。
・募集方法かもしれません。
・あるいは、用途そのものが時代に合わなくなっているのかもしれません。
「創る・貸す・管理する」は本来つながっている
リーシングと管理。
管理とリノベーション。
リノベーションとコンバージョン。
これらは本来、別々の仕事ではありません。
管理の現場で見つかった課題が、建築改善につながり、建築改善がリーシングにつながり、リーシングの成果が不動産価値向上につながります。
私たちは、この一連の流れを切り離して考えるべきではないと考えています。
管理する力が、創る力を強くする
建物の価値を高めるためには、設計や工事だけでは足りません。
実際に運営し、貸し、管理し続ける中で得られる現場知が必要です。
だからこそ、「創る・貸す・管理する」という三つの視点を持つことが重要になります。
管理は単なる事務作業ではありません。
不動産価値向上のための出発点でもあるのです。
まとめ~プロパティー・パートナーズが考えるプロパティーマネジメント
日本では、管理会社、PM、AMという言葉が使い分けられることがあります。
しかし私たちは、単なる管理業務や報告業務だけがプロパティーマネジメントだとは考えていません。
日々の運営管理やリーシングを通じて課題を発見し、その課題を建築改善やバリューアップ提案につなげることも、重要な役割の一つだと考えています。
管理する力が、創る力を強くする。
それが、私たちの考えるプロパティーマネジメントです。
プロパティー・パートナーズのプロパティーマネジメントについては、こちらのページでご紹介しています。
執筆:プロパティー・パートナーズ株式会社
営業本部 クリエイティブディレクター













