CUSOM BUILD WORKS – RENEWAL –
「これってオフィスフロアのただの原状回復ですよねえ」と言われるレベルのリニューアル工事の事例。
リノベーションという言葉を使っていいかどうかのギリギリのレベルの施工事例、ということで、今回は「デザインリニューアル工事」の事例としておきます。
住宅の場合で、よくリフォームやリニューアルとリノベーションの違いという説明がされています。
一般的には、リフォームは古くなった状態を改修し、新築に近い状態まで回復させる施工で、リノベーションは単なる改修だけでなく、間取りの変更などによって新たな付加価値を求める施工とされています。
「間取りの変更などによって」という点が住宅の場合はわかりやすいのですが、「など」というところが曖昧で、何をもってリフォーム、リニューアル以上に「新たな付加価値」と言えるのか?
CUSTOM BUILDの事例集では、エントランスの壁にアートをかけて、スポット照明を付け替えた程度も「リノベーション」と称してご紹介していますが…
新築時に戻しているリフォームでもないし、間取りの変更のような工事も含まない工事です。
大規模に費用をかけて機能も見た目も大きく刷新する工事だけをリノベーションとするなら、CUSTOM BUILDで「リノベーション」と称してご紹介する事例の中には、厳密にいえばリニューアルだといわれるものもあるでしょう。
しかし、「美観において新築時に戻すという視点と異なる形でビルの付加価値を高めるような改善を行う工事」という「デザイン・リノベーション」という定義も許されるものとして「リノベーション」と表示しています。
経年劣化で古くなった美観をきれいにするだけならリニューアルですが、その工事によりザインテイストがかなり変わるのであれば、それもひとつのリノベーションと言わせてただいてもいかなという感じです。
「デザインテイストの差」をどう感じるかは人により異なるので、どこからが「デザインリノベーション」と呼んでいいのか、そこの線引きは曖昧ですが。
そこで、この新橋レインボービルの室内の工事を表現すると、原状回復工事いわゆるリニューアル工事に毛が生えた程度の見た目(壁の色、ドアの色など)を変えた「最小限のリノベーション?」です。
間取りの変更まではやっていない、コストもなるべく低く抑えて、狙うべき賃料水準で貸すために必要な工事を行った内容、世間一般の用語の定義でいえばこれは「リニューアル」と言うべきですね。
言葉の定義の話になるようなレベルの工事ですが、大事なことは「必要以上にやり過ぎない」ということ。
「リノベーションした」と言いたいから、もっと費用をかけて、機能も見た目も大きく変える工事をした方がいい、という場合、それに見合った賃料水準のアップが可能かどうかが大事です。
実は、このビルは2Fのみを区分所有しており、外観やエントランスまでリノベーションすることはできません。
室内だけをピカピカのスタイリッシュなデザイナーズオフィスにすることは可能ですが、いくら好立地のビルとは言え、費用対効果を考えた結果が、このリニューアル工事。
言葉の定義に厳密に従って、この事例で言えることは費用対効果を考えて、無理に「リノベーション」まではしないケースもある、ということです。