CMr（コンストラクション・マネジャー）の仕事は、クラシック音楽の指揮者のような仕事です。

腕利きの演奏者が集まるオーケストラのメンバーが、最高の音楽づくりのため、指揮者と演奏者同士、互いに理解し刺激しあって1つの音楽を作り上げていきます。

しかし、クラシック音楽の指揮者とCMrの仕事が違うところ、それはまず、CMrの場合は、最初からメンバーがいるオーケストラと違ってゼロから編成する、つまり、予算も考慮した上で当該物件に相応しいメンバー（設計・デザイン・施工・コンサル等）を集めることが求められることです。（野球でいえばWBCの栗山監督のようなメンバー集めの能力です。）

そして、もう一つは、CMrは指揮者のように、お客様の見える場所では指揮をしていない、表舞台に出て拍手喝さいを浴びるようなことのない地味な仕事だという点です。

オーケストラでは、指揮者はソリストと同様に、オーケストラのメンバー以上に注目を浴びます。

一方、CMrはやっている仕事は指揮者のような重要な役割ですが、完成した写真や実物で目に見える部分は、全て、関与された専門の事業者様たちのプロフェッショナルな仕事の成果であり、設計や内装デザイン、施工事業者がどこ、といった工事関係者の名前が公表されることはあっても、私たちＣＭrの名前が華々しく表に出ることは殆どありません。

そういう意味でも、私たちCMrとしての仕事の成果を、目に見えやすい実績としてご覧いただける機会や方法が非常に少ないというのがこの業務の特殊な部分です。