マンションのトランクルーム塗装の修繕をアートペイントでデザインリノベーション

綺麗に再塗装してもつまらない！？…

倉庫アート「ハンティントンの楽園」メイキング

「なぜここにこんなアートを？」とびっくりするような倉庫アートと言えば、天王洲アイルの寺田倉庫が展開するアートな街並みが有名です。

しかし、このような大掛かりなものでなくとも、ビルオーナーの度胸と心意気さえあれば…小さなビルでも、アートのためのキャンバスは探せば意外とあるものです。そこで私たちも探してみました。

そんなわけで「不動産はキャンバスだ！」「アートを日常に！」の掛け声で完成までこぎつけた「倉庫アート」の経緯から完成までをアーティストさんのインタビューを交えてご紹介。

倉庫(トランクルーム)アートの経緯

東横線「都立大学」駅からほど近い閑静な住宅街に立つ賃貸マンション「目黒都立大レジデンス」。その自転車置き場前にある各住戸専用の倉庫の外装メンテナンスのためにドア壁面の.再塗装をすることとなりました。

そこで、私たちプロパティー・パートナーズは急にいつもの遊び心とアート好きの血が騒ぎ、「元通りに白く塗装しただけなんてつまらない！」ということで、「ここをアーティストさんの作品を描いてもらうキャンバスにしてみよう！」という「倉庫アート」のプロジェクトがスタートしました。

当初のオーナー様がなぜか共用廊下の壁の窓枠を赤く塗ったりされてましたが、デザイナーズマンション、というわけでもない、普通の賃貸マンションです。
経年で少し古臭い感じだったエントランスは私たちが取得後にビル名を変更しデザインもリノベーションしました。

エントランスホール内もリノベしたものの、まだ何か足りない感じでしたのでアートを掛けてライティング調整しました。

アーティストさん探し

たっぷりの予算で高名なアーティストさんに依頼を、というほどの公共の場所ではありませんので、むしろ、アーティストさんにこのような珍しいキャンバスをご提供するかわりに、リーズナブルに引き受けて頂けそうな方を探しました。

お題は…「カリフォルニアのハンティントン・ビーチ」のイメージで！

「東横線の都立大学駅にほど近い、閑静な住宅街に…なぜハンティントンビーチなの？」という私たちのリクエストに、疑問を挟まずにサンプルイメージをお送りいただいたアーティストさんの中から、この方にお願いしました。

女性フリーアーティスト、画家をやられている「M・H」さん。
南国の海辺のようなイメージを描くのをスタイルとされているようで、このリクエストにはピッタリな方でした。

製作期間として「約1週間くらい頂戴できますか？」とのことで、予算内でお引き受けいただけることから、早速お願いしました。

いきなり刷毛で塗り始めたHさんに…「ちょ、ちょっと大丈夫？」

養生テープとかの準備が整ったら、Hさんが、いよいよ始めますって感じで絵の具を溶いて、刷毛を片手にはじめました。
いや、ちょっと待てよ、大丈夫かな、これ。落書きのお願いじゃないんですよ～と内心、心配しながら見守りました。

まさかの、下書き無しのぶっつけ本番アートがスタート！

ちょっと心配になってHさんに質問しましたH
「こういう壁面アート」って何度もやられてるんですか？」

「いや、こういう屋外の大きな壁面に描かせて頂くのは初めてですねえ。」とニコニコ明るい笑顔で、どんどん描いていきます。初めて、といいながら、明るい笑顔で、下書きもないのに、全く迷いのない筆さばきに、逆になぜか理由もなく安心してしまった私でした。

ウソでしょ！これで下書き無しですか？

明日で完成するらしいというので、最終日に現地に行ってみると…
ウソでしょ！これで下書きもなしの完成度、脱帽です、ハイ。
プロアーティストさんには、下書き無しで描ける方も珍しくはないとはいうものの、実際に目の前で最初から完成までの過程を見せて頂ける機会はそうそうないので、その腕前とセンス、才能に感動します。
プロだからこれくらいできて当たり前、と言われても、やはりすごいですね。