CM方式(コンストラクションマネジメント)を中規模工事で行う方法

CM方式とは~コンストラクションマネジメントによる建設プロジェクト管理手法

はじめに:
CM方式とは、「Construction Management」(コンストラクション・マネジメント)の略で、建設プロジェクトにおける管理手法の一つです。

コマーシャルの略語である「CM」との混同を避けるために、省略形としては「CM方式」という表現が建設業界用語として一般化してきましたので、これに従ってこの記事でも「CM方式」と表示します。

CM方式では、建設プロジェクトの計画、設計、施工、品質管理、コスト管理、安全管理など、プロジェクト全体の管理を専門のCMr(コンストラクション・マネージャー、「CMR」と全て大文字表記されるケースも多いです)やCM会社が担当します。

CM方式というと、大規模工事や公共工事の事例が多いので、中規模な民間工事で採用するのは難しいものと思われている方もおられるかもしれませんので、この記事では「CM方式」とはどういうものかという一般的な内容を整理したうえで、最後に、中規模な工事でも採用するメリットやその方法、考え方についてまとめてみました。

CM方式の一般的な特徴:

CM方式には一般的に以下のような特徴があります:

1. 専門性
CM会社やCM担当者は、建設プロジェクトに関する豊富な知識と経験を持ち、プロジェクトのスムーズな進行をサポートします。

2. コスト管理
CMはプロジェクトの予算管理を行い、コストを抑えながらも高品質な建設を目指します。コストオーバーランを防ぐために綿密な計画と監督が行われます。

3. スケジュール管理
プロジェクトのスケジュールを厳密に管理し、遅延が発生しないように調整します。各工事の進行状況を把握し、効率的な作業を促進します。

4. 品質管理
施工の品質を確保するための管理を行います。設計図に基づいた正確な施工が行われるよう監督します。

5. リスク管理
プロジェクトの進行中に発生する可能性のあるリスクを予見し、対策を講じます。問題が発生した際には迅速に対応します。

CM方式は、複雑で大規模なプロジェクトにおいて特に有効であり、プロジェクト全体の効率性と品質を高めるために導入されることが多いです。
また、次に述べるように公共団体の公共工事でも多く採用されています。

CMr(コンストラクション・マネージャー)の具体的な支援業務内容とは?

CM方式では、プロジェクトごとに建築全般に経験豊富でノウハウ、知見があるコンストラクションマネジャー(CMr)が発注者側のコンサルタントとして参加します。
そこで、以下に、CMrによる支援業務を具体的に上げてみました。
(これらは、発注者との契約内容によっては変化するケースもありますので、あくまでも一般的な内容を列挙したものです。)

1.工事プラン検討~基本構想・基本計画検討のタイミング
・事業方針と事業予算の策定
・全体工程プランの検討策定
・発注方式の検討と決定支援
・マスタースケジュール策定
(必要に応じて、内外へのプレゼン資料、説明資料の作成支援も)

2.工事プラン実施に向けた基礎体制作り
・設計・施工者等の参加事業者の選定方法・基準の検討、策定
・参加事業者の評価基準検討制定
・参加事業者に求める見積要項書の作成
・参加事業者を集めるプロポーザルの支援
・参加希望事業者からのプレゼン(提案書)内容のチェックと評価
・各見積提示価格の妥当性の調査と評価
・工事で予見されるリスクの想定と対応策の事前検討

3.設計・施工の実施段階
・設計に基づく工事費用のシュミレーション
・設計内容の妥当性と設計図書のチェック
・コストダウンの余地のチェックと提案
・発注者が希望する工事内容の反映状況のチェック
・工事のスケジュール進捗管理と事業主への報告
・工事品質の適正度チェック
・問題が発生した際の迅速な対応とリカバリー策の検討と提案
・設計変更事項がある場合はそのチェック
・追加工事がある場合の見積チェックと実施状況の確認、報告
・竣工時の是正事項(法令上の検査事項を含む)等のチェックと是正工事の実施状況の確認と報告

このようにCMrの支援業務の内容は専門的かつ多岐に渡るものであり、CMrにはそれ相応の経験とノウハウが必要とされる所以です。

CM方式が公共団体の工事で多く採用される理由

CM(コンストラクション・マネジメント)方式が公共団体のプロジェクトに多く採用される理由はいくつかあります。
これらの理由には、透明性の確保、予算管理の厳格さ、品質の確保、リスク管理の向上、複雑なプロジェクトの管理などが含まれます。

1. 透明性の確保

①公的監査とアカウンタビリティ
公共団体は市民の税金を使ってプロジェクトを実施するため、透明性と説明責任が非常に重要です。CM方式では、コストや進行状況の詳細なレポートが提供され、透明性が高まります。

②公開入札と競争
CM方式では、各工事の分離発注を行うことで、公開入札による競争を促し、公正なプロセスが保証されます。これにより、コストの抑制と品質の確保が図られます。

2. 予算管理の厳格さ

①コスト管理
公共プロジェクトでは予算の制約が厳しいため、予算超過を防ぐための厳格なコスト管理が求められます。CMはコスト管理の専門家として、予算内でのプロジェクト遂行を支援します。

②予算の最適化
各工事の最適な業者を選定し、予算の最適化を図ることで、限られた予算内で最大の成果を上げることが可能になります。

3. 品質の確保

①品質管理の専門性
CMr(コンストラクション・マネージャー)は品質管理の専門家であり、施工が設計図や仕様書に基づいて正確に行われるよう監督します。これにより、公共プロジェクトの高品質な完成が保証されます。

②標準化とコンプライアンス
公共プロジェクトでは、厳格な建設基準や規制に準拠する必要があります。CMはこれらの基準を遵守し、コンプライアンスを確保します。

4. リスク管理の向上

①リスク予測と対策
公共プロジェクトは多くのステークホルダーが関与し、複雑なリスクが伴います。CMはリスク管理の専門知識を活かし、リスクの予測と対策を講じます。

②迅速な問題解決
プロジェクトの進行中に問題が発生した場合、CMは迅速に対応し、プロジェクトの進行を維持します。これにより、公共の利益が守られます。

5. 複雑なプロジェクトの管理

①プロジェクトのスケールと複雑さ
公共プロジェクトはしばしば大規模で複雑なものが多く、多数のサブコンストラクターや業者が関与します。CM方式では、プロジェクト全体の調整と管理が専門的に行われます。

②多様な利害関係者の調整
公共プロジェクトでは、政府機関、地元住民、環境団体など多様な利害関係者が関与します。CMはこれらの関係者間の調整役として機能し、円滑なプロジェクト遂行を支援します。

6.まとめ
CM方式が公共団体のプロジェクトに多く採用されるのは、透明性の確保、厳格な予算管理、高品質の確保、リスク管理の向上、複雑なプロジェクトの効果的な管理といった理由からです。これらの要因は、公共プロジェクトが持つ特有の要求に適しており、成功裡にプロジェクトを遂行するための重要な要素となっています。

なお、国土交通省でも、平成14年に日本におけるCM方式の普及拡大に向けて「CM方式活用ガイドライン」を公開し推進しています。

また、2021年に、地方公共団体のCM事例の資料も国土交通省から公表されており、受託したCM会社やCM受託の手数料もみることができます。
CM方式活用事例集 – 知りたいが見つかる28 選 

2つのCM方式~ピュアCMとアットリスクCM

CM(コンストラクション・マネジメント)方式には、「ピュアCM」と「アットリスクCM」という二つの主要な形態があります。なお、この記事内で、特に明示しない場合のCM方式は前者の「ピュアCM」を意味するものです。

1.ピュアCM(Pure CM)とは
(特徴)
・役割:ピュアCMでは、CMはプロジェクトの管理と監督を担当しますが、実際の施工契約には直接関与しません。
・契約形式:CMはオーナー(発注者)とコンサルタント契約を結び、設計者や施工業者とは別々に契約が結ばれます。
・責任範囲:CMはプロジェクトの計画、スケジュール管理、コスト管理、品質管理、リスク管理などを担当しますが、施工に関する直接的なリスクは負いません。

2.アットリスクCM(CM at Risk)とは
(特徴)
・役割:アットリスクCMでは、CMはプロジェクトの管理と監督に加え、施工契約の一部または全部を請け負います。
・契約形式:CMはオーナーと契約を結び、設計者や施工業者とは下請け契約を結びます。CMはプロジェクトの施工リスクを負います。
・責任範囲:CMはプロジェクト全体の計画、スケジュール管理、コスト管理、品質管理、リスク管理を担当し、施工のリスクも負います。

3.二者択一の手法ではない
ピュアCM方式とアットリスクCM方式は、対比的なものと誤解されがちですが、二者択一というものではありません。

ピュアCMとアットリスクCMとでは、プロジェクト上の立場やや担当企業が異なるケースが多いものであり、共存できる方式です。実際に、米国ではそうした事例が多く報告されているようです。

日本では、従来、アットリスクCM方式が採用されるケースは少なかったのですが、近年、震災復興事業で採用されるケースがでてきています。

有名な事例としては、公共建築として初のアットリスクCM方式が採用された、石巻市水産物地方卸売市場建設事業における推進体制というものがあります。この事例では、ピュアCMは発注者支援等を担当し、アットリスクCMは施工マネジメントの役割を担ったとのことです。

この事例では、ピュアCMr(コンストラクションマネジャー)はオーナーのコンサルタントの立場で技術的な中立を保ちつつ、発注者であるオーナーサイドの利益確保のためのアドバイザリー業務やサポートする役割を担い、アットリスクCMrは、主として施工責任を負って、施工全般をマネジメントし実施するという方式で、双方のCM方式が共存しています。

なお、こうした場合のピュアCMにはCMコンサルタント会社、アットリスクCMにはゼネコンが参画するケースが殆どのようです。

4.アットリスクCMとゼネコン一式請負方式との違いとは
日本におけるアットリスクCM方式は、日本のゼネコンの一式請負方式と実質的に同じではないか、ということもよく言われるようですが、ゼネコン一式請負の場合は総額での請負ですが、アットリスクCMでは、施工費とCMフィーを別にした契約となるケースが多く、この契約形態の違いにより、両者には異なる効果が生じます。

アットリスクCMでは、下請け契約額が発注者側に開示されて、CMがその何パーセントかのマネジメントフィーを得る、というルールが一般的で、工事実費を抑制するとフィーが減るため、コストマネジメントやコスト圧縮へのインセンティブルールを同時に考えることが必要です。

この2つは、必ずしもどちらかが発注者に有利ということではなく、発注時の経済情勢等の要因で異なるものですが、下請け契約額が明らかになるという透明性を優先するのであれば、アットリスクCM方式の方がいいということになります。

5.アットリスクCMが普及しなかった背景
日本でも1990年代頃から徐々に民間事業においてピュアCM方式でのCMが導入されるようになってきました。

一方、アットリスクCM方式が普及しなかった理由としては、まず、ピュアCM事業を担うコンサルタント系の会社には、一般的にアットリスクCM方式のリスクまで背負いたくない、あるいは背負うほどの企業規模がない、一方で、アットリスクCMを担えるであろうゼネコン側では、日本的な従来の慣行に反して下請発注額を明らかにするような方式には抵抗があったのでは、と言われています。

6.震災復興事業においてアットリスクCM方式が採用された背景
東日本大震災では、様々なインフラ設備の早期復旧の必要性に対し、発注者側のマンパワー不足や、事業の範囲などが未確定な中で、検討ばかりしていては何も復旧できないという緊急的状況がありました。

解決策として、可能な部分からでも事業を少しでも前に進めながら、全体も検討していく、今でいえば「アジャイル的」な対応が必要となっていた中で、アットリスクCM方式の検討が行われて採用され、この結果、ようやく建設関連の復興事業が進みはじめたとも言われています。

このように、震災復興や国家的事業等で、「工事内容や労務費などの詳細が大きく変動して全体の工事内容を確定しきれない中でも、とにかく早期に工事をスタートさせて完成を早めなければならない」ようなケースにおいては、アットリクスCM方式の導入が有効となる可能性があり、この方式の研究、準備は国家レベルでの重要なテーマとなりつつあります。

CM方式が中小規模工事では採用されにくい理由と導入方法

CM(コンストラクション・マネジメント)方式(施工リスクを負わないピュアCM方式であっても)、中小規模工事に採用されにくい理由は、いくつかの要因に起因します。

なお、歴史的には、建築の大規模プロジェクトが増加し複雑化した建築工程をマネジメントする仕組みが必要となって生まれた手法、という背景があるので、事業参加者が少なく透明性へのニーズも低いような中小規模工事で導入する必要性はそもそも低いという事情はあります。

ただし、適切に運用されることである程度の規模がある中規模工事であれば相応の効果を発揮できる部分が多くあります。

以下に、中規模工事※におけるCM方式の採用が難しい理由と、メリットを生かして採用する方法を説明します。

※中規模工事の定義
中小規模工事、という場合の規模感ですが、ビルの規模でいうと、一般的には延床面積が5,000坪未満を中小規模ビル、5,000坪以上を大規模ビルと定義することが多いため、5000坪未満のビルの開発や大規模なリニューアル工事、というレベル感としておきます。

但し、CMを外注する場合は、そのCMフィーを吸収できる規模が必要なため、小規模ビル、あるいは小規模ビルに近いレベルの中規模ビルでは、特段の事情があるようなケースを除いては、費用的に難しい(CM側も収益事業である以上、割に合わないとCMを引き受けられない)かもしれません。

1.採用しにくい理由

①コストの上昇
CMフィーのコスト(=CMを雇用するための費用)がかかるため、全体のプロジェクトコストが上昇する可能性があります。
中規模工事では、追加の管理費用がプロジェクト予算に大きな影響を与えることがあります。

但し、CMの巧拙次第では、CMフィーを含めた総工事費用を予算内に収めながら工事の質を高く完成させてくれる可能性がありますので、必ずしも総コストが上昇するとは限りません。

②複雑さの増加~複数の業者管理
CM方式では、分離発注により複数の業者を管理する必要があります。中規模プロジェクトでは、この複雑さが必ずしも必要ない場合があります。

③内部リソースの制約
中規模プロジェクトを実施する施主や発注者は、プロジェクトマネジメントの専門知識やリソースが限られている場合が多く、自分の内部リソース(人材)ではCM方式の複雑な管理手法に対応しきれないことが多いです。

2.中規模工事でもCM方式を導入する方法
CM方式を成功させる方法は大規模工事でも中規模工事でも基本は同じですが、中規模工事ならではのノウハウというものがあります。

また、工事の規模によって業者選定の顔ぶれも変わってきます。そうした業者選定の巧拙はプロジェクトの成否を大きく左右しますので、中小規模工事に適した業者の業界人脈、知見の有無が重要になってきます。

そのためには、中規模工事における経験が豊富なCMを選定し、プロジェクトの特性に応じた管理ができるようにすることが必要です。

大規模工事しか担当経験が無くて、いつも誰でも知っているようなスーパーゼネコンや有名な設計事務所等ばかりで発注先を構成しているといったCMの担当者だと、中規模工事に適した業界人脈がなかったり、それらの業者の実力を知っている、あるいは見極められるとは限りません。

中規模工事でCM方式を採用しようとすると、どうしてもCMフィーを多額に設定することはできませんので、フィーはリーズナブルなのに、中規模工事の経験、ノウハウが豊富、というCMrを探すことができるかどうか、にかかっているといえるでしょう。

3.プロジェクトにマッチした「CMr」を探せるか?
大規模工事のCMであれば、CMフィー予算も多額となり、CM会社もCM業界で名の通った大手がいくつかあるため、CM選定はそれらの中からセレクトすることで決められるかもしれません。

一方で、延床5000坪未満の中規模ビル開発等においても、CM方式は適切に運用することで多くの利点をもたらすことができますが、こうした大手の著名なCM会社が、中規模ビルで捻出できるCMフィー予算の範囲でCM業務を引き受けてくれるとは限りません。

また、大規模工事しか受託していないようなCM会社だと、中規模ビルの開発や施工、マネジメントに経験豊富なCMはいないかもしれません。(大企業と言えども、建物の用途、規模、業務内容における得意分野があり、各社で異なる部分も多々ありますので、そうした点も考慮して探す必要があります。)

中規模ビルのCM方式の採択には、工事の予算内で引き受けてくれる優秀なCMをいかに探すか、ということが最大の課題といえるでしょう。

4.「費用」でなく「投資」として考える
収益ビルのようなケースでは、数十年単位の長期の視点で工事費用を考えた場合に、中規模工事においても、CMフィーの初期コスト分を補って余りある収益性、資産価値の最大化が期待できる可能性があるため、「CMフィー=コスト」とみるのでなく、「CMフィー=バリューアップ投資」という視点で考えることで、CMフィー予算を思い切って確保する気持ちにもなれるかもしれません。

もちろん、投資のように戻ってくる元本がある訳ではないので会計的には「費用」ですが、「研究開発投資」という名目の費用があるように、かかったコストの何倍、何十倍もの事業利益が戻ってくる可能性があるという視点でみれば「投資」的な要素に近いと言えるのではないでしょうか。

なお、プロジェクトの戦略的な方向性がトータルな資産価値を大きく左右するという点でいえば、「CM方式」でなく、企画の初期段階から参画してプロジェクト全体を包括的にサポートする「PM(プロジェクト・マネジメント)方式」を検討することも有効な方法です。

CM方式の費用はどのように算定されるか

CM方式の費用を計算する方法はいくつかありますが、基本的には「CMr」の実費=人件費をどう算定するかと、CM会社側の利益部分の合計で算定するという性質の費用です。

似たような実績事例が多くある工事であれば、総工事費の何パーセントという単純な目安相場でいいかもしれませんが、複雑な工事で、どのような業務が発生するのかが明らかではない段階だと、工事費用と同じで、事前に「CMr」の人件費の正確な積み上げ方式の費用を見積りしづらい、という部分もあります。

CM費用の算定方法はプロジェクトの性質や契約形態により異なりますが、一般的には以下のような傾向があります。

・大規模プロジェクトほどCM費用が高くなる傾向があります。
・複雑なプロジェクトでは、詳細な管理が必要なため費用が増加します。
・リスクを負う方式では、そのリスクに対する報酬が上乗せされることがあります。
・契約形態における算定基準によって違いがでます。

業界ルール等が定まったものではないし、プロジェクトの規模や性質、契約形態によっても異なるため、確定した算定方法は示せませんが、一般的な契約形態における主な算定方法の類型を以下にまとめておきます。

1. コストプラスフィー方式(Cost Plus Fee)

この方式では、実際のコストに対して一定のフィー(報酬)が上乗せされます。フィーは通常、全プロジェクトコストの一定割合で設定されます。
【算定方法の例】
・基本費用:CMRの人件費、事務所経費、通信費などの直接費用
・フィー:基本費用の一定割合(?%)

2. 定額フィー方式(Lump Sum Fee)
プロジェクトの初期段階でCM費用を定額で設定する方式です。
プロジェクトの進行中に予想外のコストが発生しても、フィーは変更されません。

【算定方法の例】
プロジェクト総額:例えば、プロジェクト全体のコストが1億円の場合
・定額フィー:プロジェクト総額の一定割合(例えば10%)を定額フィーとして設定
・算定結果:1億円 × 10% = 1,000万円

3. GMP(最大保証価格)方式(Guaranteed Maximum Price)
CMrがプロジェクト全体のコストを最大保証価格(GMP)として設定し、それを超えないように管理します。
この方式では、CMrがコストオーバーランのリスクを負います。
・基本費用:CMrの人件費、事務所経費、通信費などの直接費用
・フィー:基本費用の一定割合
・GMP設定:予算を超える場合のリスクを考慮し、全体の費用を保証

4. タイムアンドマテリアル方式(Time and Materials)
この方式では、実際にかかった時間と材料費に基づいて費用が算定されます。
時間単価や材料費単価が事前に設定され、プロジェクト進行中に実費を計算します。
・時間単価:例えば、プロジェクトマネージャーの時間単価が1時間あたり10,000円(報酬も加味)
・材料費単価:使用した材料費の実費
・総費用:実際の時間×時間単価 + 材料費の合計

5. 成果報酬型(Performance-Based Fee)
プロジェクトの成果や進行状況に基づいて報酬を設定する方式です。目標達成度やコスト削減効果などが基準となります。
【算定方法の例】
・基本報酬:一定の基本報酬を設定
・成果報酬:プロジェクト目標を達成した場合に追加される報酬

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