PM・CMが必要になる理由
(1)改修プロジェクトは、工事だけで進むものではない
ビルやホテル、店舗・オフィスビルの改修プロジェクトでは、工事そのものだけでなく、プロジェクト全体の進め方が重要になります。
設計者、施工者、専門業者、運営者、管理会社、テナント、オーナーなど、多くの関係者が関わるためです。
関係者が増えるほど、確認事項も増えます。
工程の調整、工事範囲の整理、品質の確認、コストの管理、テナントや運営への影響など、考えるべきことは多くなります。
そのため、改修プロジェクトでは、単に施工会社を決めるだけでは不十分な場合があります。
発注者側の立場で、プロジェクト全体を整理し、関係者を調整しながら進める役割が必要になります。
(2)PM方式とCM方式の違い
不動産や建築プロジェクトでは、PM(PM方式)とCM(CM方式)という言葉が使われます。
PMは、プロジェクトマネジメントのことです。
プロジェクト全体を俯瞰し、計画から実行までの流れを整理する役割です。
事業目的、スケジュール、関係者の役割、意思決定の流れ、予算との整合などを確認しながら、プロジェクトが目的に向かって進むように管理します。
一方、CMはコンストラクションマネジメントのことです。
工事段階における実務的なマネジメントです。
工程、品質、コスト、施工内容、関係者調整などを整理し、工事が円滑に進むように支援します。
簡単に言えば、PMはプロジェクト全体の整理、CMは工事フェーズの整理と考えると分かりやすいです。
(3)なぜビル改修にはPM・CMが必要になるのか
ビル改修やホテル改修では、既存建物を扱うため、新築とは違う難しさがあります。
・図面通りにいかないことがあります。
・既存設備の状態によって、工事内容が変わることがあります。
・テナントや運営を止められない場合があります。
・工事範囲が途中で広がることもあります。
・関係者の判断が遅れると、工程全体に影響します。
こうした状況では、現場任せにするだけでは、発注者の意図や事業目的が十分に反映されないことがあります。
PM・CMは、発注者側の視点から、工事内容や関係者の動きを整理し、計画と現場をつなぐ役割を担います。
(4)工程・品質・コストを整理する
改修プロジェクトでは、工程、品質、コストのバランスが重要です。
早く進めたいからといって、品質を犠牲にするわけにはいきません。
品質を高めようとして、予算が大きく膨らみすぎても問題です。
コストを抑えすぎると、完成後の使い勝手や運営に支障が出る場合もあります。
PM・CMでは、発注者の目的に合わせて、工程・品質・コストを整理します。
どこに費用をかけるべきか。
どこは既存を活かせるか。
工程上、先に決めるべきことは何か。
品質確認のポイントはどこか。
こうした判断を積み重ねることで、プロジェクトを現実的に進めていきます。
(5)関係者調整がプロジェクトを左右する
改修プロジェクトでは、関係者調整が非常に重要です。
・設計者が考えること。
・施工者が実現できること。
・オーナーが求めること。
・運営者が必要とすること。
・テナントや利用者に影響すること。
それぞれの立場によって、重視するポイントは異なります。
PM・CMでは、こうした関係者の意見や条件を整理し、プロジェクト全体として整合する形にまとめていきます。
特に、ホテルや店舗・オフィスビルのように、運営や利用者体験が重要になる建物では、単に工事を終えるだけではなく、完成後にどう使われるかまで考える必要があります。
(6)Aビルとホテル桜 嬉野の事例
Aビルは、店舗・オフィスビルにおけるコンストラクションマネジメント事例です。
都市型ビルの改修では、関係者が多く、工程・品質・コストの整理が重要になります。
発注者側の視点から、計画と実行をつなぐことが求められます。
ホテル桜 嬉野は、ホテルプロジェクトにおけるコンストラクションマネジメント事例です。
宿泊施設では、施設としての品質、運営面、利用者の体験が重要です。
工事内容の整理、関係者調整、工程・品質管理を行うことで、ホテルとして求められる水準に近づけていきます。
(7)まとめ
ビル改修プロジェクトを円滑に進めるには、工事そのものだけでなく、プロジェクト全体を整理する視点が必要です。
PMは、計画から実行までの流れを俯瞰し、事業目的や関係者の役割を整理する役割です。
CMは、工事段階で工程、品質、コスト、施工内容を整理し、現場を円滑に進める役割です。
関係者が多い改修プロジェクト、大規模改修、ホテル改修、店舗・オフィスビルの工事では、PM・CMの視点がプロジェクトの成否に大きく関わります。













