CREATIVE INTERIOR MIX
PREMIUM OFFICE 五反田のレストエリアの事例
気づきを生むための「整えない休憩室」がモデルルームにもなる理由
クリエイティブオフィスの主な要件として言われていることは、「リラックス」と「コミュニケーション」、そして「集中」という3つの要素と、そのバランスです。
CIXは通常のオフィスのリノベーションのような内装デザインの見た目の統一感とか高級感とかにはこだわるのでなく、「目から鱗が落ちる」ような「気づき」を導くことに重点を置きます。
リラックスしながらも、そこにあるものに触れていると、何かもっと知りたくなる、興味が沸いてくる、感性を刺激する、そんな「インタレスト」なインテリアコーディネートを行います。
この部屋は、シンプルで美しいインテリアを目指していません。整いすぎた空間は、思考を一直線にしてしまうからです。
脳科学では「ぼーっとしたときにヒラメキが生まれる」とされる DMN(デフォルトモードネットワーク)の仕組みが知られています。
その理屈だけで言えば、空間はできるだけシンプルなほうが良い。しかし、それだけが目的なら、外に散歩に出かければ十分です。
このレストエリアは DMN に反した空間ではありません。むしろその仕組みを理解したうえで、仕事につながる気づきを生むための、その先のインテリアを考えました。
DMN は無からではなく、蓄えられた経験や記憶の断片が再編成されることで働くものだからです。
そこで重視したのは、統一感や高級感ではなく、リラックスしながらも「何かが少し気になる」状態をつくることでした。
気づきが生まれやすい距離とゆらぎを意図し、「建築とアート」をテーマにアイテムをセレクトしています。
また、この部屋は共用のレストエリアであると同時に、もともとは4人用の個室で、内覧時にはモデルルームの役割も担っています。
あえて雑多でチープなアイテムを使っているのは、実際に入居したあとの使われ方を想像しやすくするためです。
レンタルオフィスの共用部には、複合機や冷蔵庫、消耗品をまとめたシェアストックコーナーがあります。
どこにでもある、いわば「機能だけの空間」です。
ある日、その一角に脚立や清掃用具が置かれていることが気になりました。
見た目以上に、「ここに置くしかない」状態が、空間を窮屈にしていたのです。
とはいえ、移動先はなく、収納を増やすかどうか迷う状況でした。
そこで発想を切り替えました。「しまえないなら、装飾にしてしまう」。
壁と脚立を使い、空間そのものをインスタレーションとして成立させる。
脚立を備品ではなく、構成要素として扱った瞬間、「格納する/しない」という問題は消えました。
