変えることと、変えないこと―リノベーションやコンバージョンの本質

Renovation & Conversion

What to Change, What to Keep

すべてを変える仕事ではない

建物を変える仕事は、すべてを新しくすることではありません。

リノベーションやコンバージョンという言葉から、見た目を一新する工事を想像されることもありますが、実際に私たちが向き合っているのは「何を変えて、何を変えないか」という判断です。

動かせない条件を読む

建物には、それぞれ前提条件があります。
立地、築年数、規模、法令、設備、そして用途。

これらはデザインの好みとは別に、簡単には動かせない要素です。


賃貸用ビルにおける判断

特に賃貸用のビルでは、
費用対効果という制約条件の中で判断を重ねる必要があります。

投資したコストが、賃料や稼働率として回収できるかどうか。

ここを見誤ると、見た目は良いのに使われない空間になってしまいます。

やり過ぎても効果は出ない。
中途半端でも結果は出ない。

「程よい」と言えば簡単ですが、実際には、この判断が最も難しい部分です。


自用の場合に求められる視点

一方で、自用の建物であれば、判断の軸は少し変わります。

数値よりも、
オーナーの考え方や使い方、その場所で何を実現したいのかが優先されます。

ただし、自用であっても、
好きなことをすべて詰め込めば良いわけではありません。

建物の性能や将来の使われ方を無視すれば、後から無理が生じます。


建物の役割を更新する

リノベーションやコンバージョンは、
「おしゃれにする作業」ではなく、
建物の役割を読み直し、更新する作業だと私たちは考えています。

残すことで価値が保たれる部分。
変えることで価値が生まれる部分。

その境界を見極めることが、結果として資産価値を高め、
長く使われる建物につながります。

仕事の結果として残るもの

工事が終わったあと、
「ちょうど良かった」と感じてもらえること。

そして次の機会にも、
また声をかけてもらえること。

私たちは、その積み重ねによって、
建物と付き合い続ける
リノベーション、コンバージョンを行っています。

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